薬物依存は、単に「悪い習慣」ではなく、脳の構造と機能に深刻な影響を与える「病」である。私はかつて薬物依存症に苦しみ、回復して20年以上が経過した。この長い年月を経て、薬物依存が私の脳と心にどのような後遺症を残したのか、そしてそれとどう向き合ってきたのかを具体的に語りたい。薬物を使い始めた頃は、一時的な高揚感や現実逃避を求めていた。しかし、その代償はあまりにも大きかった。薬物が手放せなくなり、脳は薬物の刺激なしでは正常に機能しなくなった。ドーパミン系の異常、前頭前野の機能低下、扁桃体の過活動など、脳科学的な変化は多岐にわたった。この脳の変化こそが、回復後も私を苦しめる後遺症の根源となった。20年が経過した今でも、私は薬物依存の後遺症と向き合い続けている。最も顕著なのは、精神的な後遺症だ。集中力の低下と記憶力の減退は、特に顕著である。新しいことを覚えるのに時間がかかったり、人の名前がすぐに思い出せなかったりすることが頻繁にある。仕事では、以前よりも時間をかけて情報整理をしたり、メモを細かく取ったりする工夫が必要になった。また、感情の起伏が激しく、些細なことで不安になったり、抑うつ的な気分に陥ったりすることも少なくない。過去の薬物使用による罪悪感や後悔も、時に私を苦しめる。これらの精神的な症状は、日常生活や人間関係にも影響を与えた。社会復帰当初は、他人の評価が気になり、自信を持つことができなかった。再発への恐怖は常に心の奥底に潜んでおり、ストレスを感じると、無意識のうちに薬物のことを考えてしまうことがあった。物理的な後遺症としては、慢性的な倦怠感や睡眠障害が残った。体が常にだるく、質の良い睡眠が取れない日が続いたため、日中の活動に支障をきたすことが多かった。しかし、私はこの後遺症に打ち勝つことを諦めなかった。この20年間、私は薬物依存の後遺症とどのように向き合ってきたのだろうか。まず、最も重要だったのは、脳の回復を促すための生活習慣の確立だ。規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、そして適度な運動は、脳の機能を安定させる上で不可欠だった。